育児から育自       

  密室家庭

「女三界に家なし」と言われて一生を送ったおばあちゃんたちの孫が、今だいたい30代くらい、結婚して子どもを育てています。

ちょうどその孫たちと同じ年代のお母さんたちが集まっている所で「家庭内離婚」の話になりました。

出会って、この人となら幸せになれると結婚した2人。夢や希望があればあるほど、こんな筈ではなかったという思いがつのるのではないでしょうか。「そんなこと、結婚する前によぉく話し合っておけば良かったんじゃないの?」と思うようなことで「本当にまったく、やんなっちゃう! もう我慢できない」と、次から次へ話はつきないのです。

人間、嫌となったら、本当、何もかも嫌になってしまうもので、下着が洗濯機の中で混じるのも嫌になってしまうものです。

いきなり離婚というよりも、家庭内離婚、別居と色々試行錯誤しながら、この人が自分にとって本当に大切な人か、必要な人かと、お互いに時間と距離を置いて、子どもたちの思いも大切だと考慮しながら考え考え、そして話し合っていって欲しいと願わずにいられません。そして、友だち同士どんどん亭主の悪口を言ったらいいと思います。

表面的には仲むつまじく、理想的な家庭と思われている夫婦が「家庭内離婚」の最中で、食事も洗濯も別々に、まして寝床は離れ離れという家庭は外からはわかりませんものね。結構多いんだそうです。

なんだか良くわからないけれど、お父さんとお母さんが仲良いのが幸せと思っている子どもたちには、どっちも好きな人だから悲しいし、戸惑うし、とばっちり受けて食事もホカホカ弁当ばかり続いたりして。毎日毎日喧嘩して、周りがハラハラしているのに次々と子どもが生まれて5人の子持ちになっている人もいるし、身奇麗に着飾って、いつも愛想よく外からは理想的な家庭と羨ましがられている奥さんが、ある日、突然離婚という話もありました。何の問題もないと思える家庭に、幼児虐待があり、家庭内暴力に苦しんでいることが比較的多いように思われます。ドアを閉めたら密室状態の現在の家庭、あまりにも自分たちのことは自分たちでと思うあまり、辛いことも悲しいこともみんな自分の責任においてと頑張ってしまうからパニックを起こすと思うんですよ。

以前は近所の夫婦喧嘩の声も、子どもを叱る声も聞こえて来ていたのに、今はどこからも騒ぎは聞こえてきませんものね。でも、その分、内向したいらだちや悲しみが心の病を引き起こしてはいないでしょうか。