育児から育自       

  心にゆとりがないと、優しくなれないのでしょうか

昨夜、帰りの電車の中で、男女2人の子を連れた母親と一緒になりました。車内は割合空いておりました。私は運良く座れて、ホッとして、周りを見ていました。突然「早くしなさい! 閉まっちゃうでしょ」とけわしい声がして、ドタバタとこの親子が乗って来ました。まもなく母親は娘を抱えて床に座り込んでしまいました。お兄ちゃんがジーッと見ていました。そして、いきなり母親の首に抱きついて何か言いました。母親はきっと顔をあげて、どーんと胸を強く突きました。息子があっちの方へ飛んでいきました。「あっ」と思いました。それは、本当に、憎らしいと思っている態度に見えました。可愛いと思っている子に出来る態度ではありません。私もびっくりして見ていました。もう一度母親のそばへ寄って来て、僕も抱いて欲しいと訴えているようです。でも、また、どーんと突き飛ばしました。音が聞こえるほど強烈でした。お兄ちゃんかわいそうと思いました。電車に乗って来る前に何があったのかわかりませんが、これほど冷たく、つき離しては心に傷が残ると胸が痛みました。

子どもたちが安心して甘えていられない、突然虐待に走る母親が多いと聞いています。同じ母親に溺愛(できあい)と虐待が混在していると言うんです。下の子が生まれて、イライラして上の子をぶったのが始まりで、どんどんエスカレートして子どもを殺してしまうのではないかと母親が相談所を訪れたと新聞で読みました。お母さんたちは疲れているのでしょうか。嬉しいと思えることが少ないのでしょうか。お母さんの顔色を見ながら、一喜一憂している子どもたちの気持ちを考えるとお母さんたちの心の平和がとても大事なことだし、何よりもすべてにゆとりがあったらと思います。心にゆとりがないと優しくなれないのかもしれないと今、私思っています。