育児から育自       



雨あがりの新緑が朝日に映えてまぶしいばかり。

草も木もみんな生きている、そんな思いがします。こんな朝は心がちょっとハイになりませんか? 私なんかひとつ深呼吸をして、「さあ今日も頑張っていこう」なんて言っています。今年から保育園・幼稚園へ通 うようになった子どもたち、2カ月が経った今、生活は落ち着きましたでしょうか?

朝元気に出かけていますか? ぐずぐずとしてお母さんをいらいらさせていませんか。随分前になりますが、NHKのテレビで「子どもがこわい子どもたち」という番組が放映されたのを覚えています。

家では大人たちが、なんでも先取りしてやってくれて、自分から何をして欲しいと頼んだり、してもらえるように努力するようなことはなかったんでしょうね。友だちが群れて遊んでいても、遠くからじっと見ているだけで入ろうとしない。友だちが誘っても返事もしないし、行ってもすぐ1人になってしまう。この子が友だちの輪に入って声をあげて笑うようになるまでのプロセスが興味深く描かれていました。先生たちが根気良く、繰り返し温かい思いを送り続ける。その思いをほかの子どもたちの誘いかけに託して関わり続けることで、心を閉じているのか、不安なのか、1人ぽつんと園庭の隅にしゃがんでいる子に、変化が現れていく様子を写 していました。

最近気になることなんですが、子どもたちを簡単に「自閉症」とか「発達が遅れている」とか決めつけて、希望も努力するすべも断ち切ってしまうことが多いように思えることです。子どもの発達は一人ひとり違います。育児書通 りに育っていないと不安を感じるお母さんたちに、決定的な宣言を下すようなことがあってはならないと、私は思っています。

ちょっと普通の子と違うとか順応しにくい子どもであっても、温かく接してくれる友だちの思いがその周りにあって、自分の存在を認めてくれる人々の言葉が不安を取り除いてくれたら、友だちの輪に入れるようになると思うのです。「子どもがこわい子どもたち」も自分らしさを取り戻すことで自己主張もでき、仲間の中に入っていけたのだと思うのです。

おせっかいをもうひとつ踏み込んで、もっと「子どもたちの心のそばへ」と願っています。