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大牟田朗読の会の仲間と |
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それ以後、賞とは稼がなくなりましたが、朗読のレベルの高さを実感して、分かりやすく聞きやすい朗読を目指すために年に一度、放送局のアナウンサーを招いて勉強会を開いています。そんなときの同じ目的を持つ向上心ある仲間の素晴らしさは格別
です。80代と30佗の方が同じ感覚でつき合えるのは無論のこと、目指すものが一緒なので会話も弾み、楽しくかつ有意義です。年に一度の研修旅行に行くときなど心から納得します。皆さん本が好きで、読んでいると自分も楽しいし、それで人様の役に立てるならばそれにこしたことはないと思うからこそ、良いテープを作りたいと、より勉強するんですよね。ですから、テープが完成した喜びは大変なものです。 通常90分テープを1本作るのに何十時間もかかります。読み間違いがないよう注意しますが、間違いに気づけば、すぐ読み直し、普通 の厚さの単行本で90分テープが5、6本、450分から500分くらいかかります。それを本に添えて校正に出すのですが、他人に聞いてもらうと自分では気づかない誤りも出てきます。それを訂正した後、見落としたところはないか2次校正に出し、訂正する箇所があれば訂正して、初めて図書館に提出できるのです。ですからどんなに読み手が速く読んでも1冊仕上げるのに2カ月はかかります。ベテランだと年間8冊くらい読めますが、これから始める方には1年で1冊仕上げることを目標においてもらっています。 最初の頃は分からないまま読み進めていましたが、作者の思いが伝わるよう大事に読みたいと思うと読めなくなるもので、当時のテープを聞くと“なんでこんなんして読んだのかな”と思います。 現在利用している方は100名くらいですが、糖尿病などで失明して点字の読めない中途視覚障害者が増加しているため、ますます録音図書は必要になってくるでしょう。 そんな私の気持ちを理解してくれてか主人が平成元年に家を新築したときには、できる範囲の防音装置が整った録音室を一部屋作ってくれました。 会の創立20周年を迎えた平成10年には、記念朗読会を開催、日頃お世話になっている各団体の方たちを招待して、会員が参加者80名の前で詩やエッセーを読み上げて節目を祝いました。 ひとことで20年といいますが、その間にはいろいろなことがありました。先輩を亡くしたり、「もう一度読みたい」と言いながら病に倒れた私と同年輩くらいの方。そんなときは辛く悲しい思いをしました。でも、そんな会員に応えるためにも、現在80を超してはつらつと活動している方にあやかろうと自分を元気づけています。大変だと思えば大変ですが、楽しいと思えばまた楽しいものです。 |
勉強会で |
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例えば、私は養成講座の講師を務めていますが、初回は受講者の自己紹介かたがた皆んなの声を聞き、次回からは課遁をテープに吹き込み提出してもらいます。それを基に学習を進め、良いところは褒め、直すところは少しずつ変えていきます。毎回テープの宿題が出るので講座の修了後に初回のテープを聞くと、受講者自身、見違えるように上達しているのが実感できます。これは本人ばかりでなく私にとっても嬉しいことですし、指導する立場になって初めて私自身も基本を確認するので、自分の上達にも繋がることになります。 私も年々年寄りの仲間入りをしていくのでこれからは若い人に期待して、後継者を育成していかなければと、力が入ります。我が家の次女も去年から入会して活動してくれるようになりました。娘たちは視覚障害者の方に気軽に声をかけたりして偏見が全くありません。 私は自分のライフワークの中で、本当に良いものに巡り合えました。幸いにも平成9年1月2日には、NHKラジオ第2放送の正月番組の『新春朗読』でアナウンサーたちと一緒に朗読する機会にも恵まれました。 振り返ってみると、私自身、やめたいという人を引き止めることはあつても、やめたいと思ったことは一度もありませんでした。これは家族の協力があればこそですが、私は目が見えて声が出る限り朗読ボランティアを続けていきたいと思っています。そして、20年間朗読を続けた自分への記念に、いつの日かお茶など飲みながら気楽な気持ちで聞いてらう個人の発表の場を持ちたいと夢見ています。(平成12年4月) |
創立20周年記念朗読会で |
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